気配と囁き ―秘密の薔薇―

個人的な関心事についての日録風覚書。隠されたもの、語り得ぬもの、覆われたもの、向こう側、境界線上のもの、この世ならぬもの、過剰なもの、偏奇なもの、只事でないこと、などについて。

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怪談 その2

怖い話でいつも思い出すのが、昔週刊誌の怪談特集で読んだ実話、である。

もうかれこれ30年ほど前になるだろうか、確か「週刊現代」だったと記憶するが、色々短い話が載っていた中に、、、

ある人が、格安のアパートを探していて、紹介されたのが、東京からは大分離れてはいるが、辛うじて通勤圏内だと思われる、富士山にほど近い?アパートだった。
家賃は1万ほどで、破格であった。

で、現地へいってみると、それなりに古びてどこか陰気だが、賃料の安さに惹かれて借りることにした。

住んでみると、矢張り、どうもやけに湿気が多く、特に日当たりが悪いという訳でもないのに、と訝っていると、今度は、どこか部屋の隅から小さな虫が湧いて出るようにうじゃうじゃと這い出してくるのである。

たまらず、アパートの奥の部屋に住んでいる大家のところに行って、苦情を言おうとした。

部屋を訪れると、最初ひょろりとした頼りなさそうな旦那が出て来て、ぬらりくらりとした応対をして、どうにも要領を得ないこと甚だしい。

痺れを切らして、声を荒げかけると、いきなり奥のふすまががらりと開いて、寝巻き姿の奥さんが異様に切迫した表情をして姿を現した。

その顔が、、、土気色を通り越して、緑色をしている。

仰天して腰を抜かしかけているところへ、その奥さんが、蛍光灯の紐スイッチをせわしなく続け様に引っ張りながら、「昼間から、、、して何処が悪い、昼間から、、、して何処が悪い」と何度も何度も言う。昼でも薄暗い室内が明滅する明かりで歪んだように見える。

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実は、上の「」の中の「、、、」の部分が、どうしても思い出せないでいるのだ。

なんで忘れたのかが分からない、、、
身の毛もよだつような恐ろしい台詞ではなかったように思うのだが、、、
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妖かし | コメント:0 |

怪談

いつかは怪談を書いてみたいと思っている。

思っているのだが、実は怪談の方へ意識を向けると、その思い入れが強ければ強いほど深ければ深いほど、途端に周囲の空気感が一変し、意識状態が異様に歪んで天井あたりから妙なラップ音が聞こえだすので、心底怖いのである。

ところで、以前に書き出した怪談的な話を1つ2つ。

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以前、築70年以上という長屋に住んでいた。

二階建てで、部屋数は上下合わせて5部屋もあって、畳は京間だったから、滅法広い。

で、裏には小さいながらも4畳半くらいな庭もついていて、結構気に入っていた。

その頃は、夫婦2人で版下屋というのを自宅で営んでいた。
オフセット印刷の、主に文章主体の印刷物の版下を作成するのである。

10軒以上の得意先があったから、夜も昼もなしに仕事に明け暮れていた。
霊感のある友人が来て言うのには、ここは特に変な感じもしないので大丈夫と言った。

しかし、入居当初、一階の天井を見上げて驚いたことに、無数の丸箸が桟の隙間という隙間にびっしりと突き刺さっていて、異様な光景だった。

何でも、もともとの住人というのが、終戦直後に裏稼業か何かで財を成し、その長屋を含めて一帯の家屋土地を買い占めたそうで、入居した家に住んで睨みを利かせていたらしい。

で、子供がなかったので、養女と養子をとって結婚させた。
新婚の2人を2階に住まわせ、自分は1人階下に住んで美容院をしていたそうであった。

ところが、どうしたわけか、上の2人の営みに嫉妬したものか、気が触れてしまい、夜毎下から箸を天井に突き刺しては、嫌がらせをしたらしいのである。
気が触れたようになったことや娘夫婦に嫌がらせをしたことは、当初から住んでいた隣人から聞いたので確かなようだった。

その後、その家主は亡くなり、私が入居した当時は、その妹に当る女性が家主になっていた。

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ある日の夕刻、家に1人いて疲れもあって、仮眠をとっていた。

階下の奥の6畳間に横になっていた。
左手に裏庭に面した廊下があり、突き当りが風呂場になっている。

寝入ってどのくらい経ったのか覚えていないが、ふと目が醒めた。

途端に、裏の風呂場の方から畳の表面すれすれを、凄まじい勢いで途方もなく恐ろしい<気配>が、横になった私の足元目掛けて滑るように飛び掛ってきた。

かつて体験した事もないような恐怖感に胸を締め付けられ、うわっと上体が跳ね上がるようにして起き直った時、はっきりと目が醒めた。

夢か現か、それも分からない。嫌な汗をびっしょりとかいていた。

数ヶ月を置いて、今度は2階の部屋に同じく夕刻1人で寝ていた。
向かって右の足元方向に階下へ下りる階段の踊場があった。

ふと目が覚めた。瞬間、あの凄まじい身の毛もよだつ<気配>が、階下から階段を恐ろしい速さで駆け上ってき、右足の裏へ入って来ようとした。
ずわーーーーーーーーーーーーーっ

その刹那、がばっと起き上がってはっきりと目が醒めた。
びっしょりと脂汗に塗れながら。
妖かし | コメント:0 |
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