気配と囁き ―秘密の薔薇―

個人的な関心事についての日録風覚書。隠されたもの、語り得ぬもの、覆われたもの、向こう側、境界線上のもの、この世ならぬもの、過剰なもの、偏奇なもの、只事でないこと、などについて。

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座敷童子

家探しの当初は、私が1人で今の家を下見に訪れた。
その2日後、今度は家人と2人で見に来た。

よく晴れた日で、午後の柔らかな日差しがうらうらと降り注いでいた。

家の前はちょっとした小庭のような空き地になっていて、その右には家の右手を通る小道へ降りる階段があった。

その階段に2人の子どもがちょこんと座って日向ぼっこをしていた。
傍にその子たちの祖母に当たる年恰好の、上品な女性が微笑んで立っていた。

家の中に入り、あちこちを見て回り、すっかり家人が気に入ったところで帰途に着いた。

家の外に出ると、その2人のこどもと老女はまだそこにいて、3人とも静かな笑みを浮かべているのだった。

実は、その2人の子どもを見た時から、私は“この家に住もう”と決めていた。

その子たちというのは、歳は2歳くらいだろうか、、、男の子と女の子で同い年くらいに見えた。ひょっとして二卵生双生児かと思えたほどよく似ていた。
その年齢の子どもには珍しく物静かで、今時の子どもとは思えないほど品があった。まるでお雛様みたいだ、と思ったことをよく覚えている。

私たちを見ても驚いたり騒いだりすることもなく、ただ穏やかに微笑んでいる。
今までに見たこともないほど可愛らしく、上品な顔立ちだった。

その日以来、一度もその子どもたちに会ったことはない。
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妖かし | コメント:0 |

音の怪

5月に越してきた今の家は、3軒長屋の右端にある。
昼間でも、すぐ近くを走る私鉄の通過音以外は住宅密集地とは思えないほど静かである。

玄関を入ると右手にダイニングキッチンがあり、奥に居間がある。
居間の左は壁で、右は押入れと床の間になっている。

昼間、押入れの中かと思うほど暗くて静かな居間に潜んでいると、どこからか足音が聞こえる。
トントントンと軽く調子を取った、あたかも子供が階段を上下するような規則的な音。

右手の押入れの更に奥は、2階へ上がる階段の下に当たる。その向こうは物置で、その外は細い道になっている。

左の壁は隣家との仕切りの壁になっており、その壁の向こうは隣家の階段があるようだ。
“階段を上下する音”は隣家の住人が正に階段を登り降りしている音かとも思われるが、しかし、隣家は80を越えた婆さんの1人暮らしである。
しかも彼女は足腰が悪く、外を歩く様子を見ていると、今にも倒れそうなよぼよぼ歩きなのである。

更にもう1軒左の家には人が住んでいない。

とすると、くだんの“足音”は誰の足音なのだろう、、、
妖かし | コメント:0 |
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