気配と囁き ―秘密の薔薇―

個人的な関心事についての日録風覚書。隠されたもの、語り得ぬもの、覆われたもの、向こう側、境界線上のもの、この世ならぬもの、過剰なもの、偏奇なもの、只事でないこと、などについて。

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宇宙物理学の光景

12月6日付けA紙の書評欄で読んだ書物。
レオナルド・サスキンド『ブラックホール戦争 スティーブン・ホーキングとの20年越しの闘い』。

○「強い重力源のブラックホールに吸い寄せられた情報の行方」についての論争
○「ブラックホールへの物体の落下を遠目に眺めたらどう見えるかの考察」
○「外から見ると、物体の情報はブラックホールの手前でその表層に広がり、やがてはまた外部に出て行く」
○「ブラックホールの表層が『情報のビットでびっしりと覆われている』」
○「宇宙そのものが情報の皮膜に包まれている」
○「宇宙は、遠く離れた2次元の面にコード化されたものから生じる画像」

先端物理学の知見が進めば進むほどに、古代インド哲学や仏教などの東洋思想に近似していく、というのは既に定説に近いものかも知れない。

アーカシックコードや如来蔵、あるいは「<神>による天地創造、その現成および臨在」、ボームの「暗在系」との関連が興味を惹くところだ。
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読書備忘録

<今年読んだ書物で特記すべきもの>
プラトーノフ『粘土砂漠』『ジャン』
車谷長吉『赤目四十八瀧』
天外司朗『「あの世」の科学』

<番外>
加門七海『うわさの人物』

<読みかけ、若しくは未消化のもの>
D・ボーム『全体性と内蔵秩序』
ピーター・L・バーガー『現代人はキリスト教を信じられるか』
ユング『元型論』
読書断片 | コメント:0 |

背負う荷を脇へも置かず年の暮れ

なんちゅうか、あれやこれやを背負いつつ、片付かぬ気持ちのまま、年の瀬を迎えた、っちゅうこっちゃね。

しかし、今年も色々あったことである。
そろそろ何事もない日々を淡々と過ごす年齢になってもよさそうなものであるのに、どっちかというと、浮沈の激しい日々が続いているような気がする。

といっても、以前のように路頭に迷いかける、というような悲惨な日常ではなく、精神的に日々新たな人生の局面に出会う、そんな感じか、、、

出会いもあれば、別れもあった。
腹の底にずんとくる本も読み、その度に人生と世界はより一層深くて新たな面貌を見せ付けるのだ。

迷いが深く濃くなるという感じでもなくて、いよいよ佳境に入りつつも霧が深くなってきている感じ、といえばいいかもしれない。
あと少しで、霧が晴れそうで晴れない、、、

今年は書物を一纏まり処分し、本棚が大分空いたのだったが、その一方でまたぞろ本が増えてくる。
頁を捲る毎に刺激的で、どんどん考えが深まる気がしたものの、いまだ考えを纏めることができずにいる書物、、、

その果てに途方もないスケールの夢も見た。

あれこれの思考の途上にいまだあって、仕事も抱えて年の瀬を越すのである。
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ある人への私信より ―読書メモに代えて―

昨夜のお話に出ました“生きているうちに読め 読書の醍醐味を味わう万華鏡的言説と記述群”の書籍です。

遅読家の私などからしますと、遥かに凌駕する多領域と量の読書家であろう貴兄に、いまさらお勧めする書物があるのかどうか危ぶむものですが、以前より会話や日記で話題にしましたものを中心に、備忘録代わりに列挙してみました。

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井筒俊彦『大乗起信論の哲学』(中公文庫)
    『意識と本質』(岩波文庫)
恒川光太郎『夜市』
J・ファウルズ『魔術師』
中井英夫『虚無への供物』
ホフマンスタール『チャンドス卿の手紙』(岩波文庫)
ユング『自伝 上・下』(みすず書房)
エルンスト・ブロッホ『ユートピアの精神』
鷲巣繁男『歌集 蝦夷の別れ』
山中智恵子『歌集 虚空日月』
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いずれも、読まれて落胆されることはないだろうと思います。
中には既読のものもあろうかとは思いますが、微苦笑しながら眺めてやって下さい。

『意識と本質』は私も現在継読中なのですが、稀代の碩学にしてイスラム哲学の権威・井筒の面目躍如たる古今東西の著作家や思想家の言説に跨る博覧強記の論文で、デリダをして「師匠」と呼ばしめたのも由なしとしない、というのが納得できる厖大な領域に跨る作物です。

『大乗起信論の哲学』は、井筒の絶筆となったものですが、このあとも延々と著述の構想を持っていたようです。まったく惜しい人を失ったものです。

『虚無への供物』は、構想10年執筆3年だったかと思います。
虚構と実際に起こった数々の現実が1本のあざなわれた縄の如くに絡み合いながら、一種名状しがたい恐怖感を募らせる展開は圧巻です。
「戦後<前衛>短歌」界の隠れた名伯楽だった中井のもう一つの顔がそこにあります。
この作品は、もともと伝説的な同性愛者のための高級文芸誌「アドニス」に連載されたミステリーを一般向けに改めた作品で、もとのゲイ描写横溢の作品が何年か前にさる推理専門誌に復刻されたことがありましたが、その抑圧なきゲイ行為描写は一種凄絶なものがありました。

『チャンドス卿の手紙』は短篇集ですが、20世紀文学の嚆矢とも濫觴ともいうべき記念碑的な珠玉の作品集です。わが伴侶はこれを読んで「これこそ私が求めていたものだ」と涙ぐんでおりました。

『ユートピアの精神』のブロッホは、もと東独逸在住の「マルクス主義」哲学者ですが、語るほどに書くほどに秘教的な神託の書のような白熱した記述に変じていくのを見るのは、まことに圧巻です。
この人も博覧強記にして熱い魂が煮えたぎっております。機会があれば是非。
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それは無理、、、

昨日の夕方、用事を済ませて家に帰ってきた。

居間にいる家内に“ただいま”と言うと。
“はぁ~~”
と、なにやら消え入りそうな頼りない声が聞こえた。

どうしたのかと覗いてみると、何か手元でごそごそやっている。
郵便物をどうにかしようとしているみたいだった。

何してるの、と訊くと、
“さっきから、これがめくれへんし、いらいらしてるねん”
と言う。

見ると、何かの支払い証明書の葉書の端をめくろうとしている。

よくある2つ折れになったものの1面がめくれるようになっていて、最終的に3面になるあれである。

郵便物は私が受け取り、家内宛のもの以外は私が開封するので、既に開いてある。

それをまた、「ここから開封」と書いてある箇所を、一所懸命に開けようと四苦八苦しているのだった。

ううむ、こういう世事に疎くて、しかも律儀な家内は、几帳面に指示に従ったものと見える。

いくらなんでも、それは無理、、、
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