気配と囁き ―秘密の薔薇―

個人的な関心事についての日録風覚書。隠されたもの、語り得ぬもの、覆われたもの、向こう側、境界線上のもの、この世ならぬもの、過剰なもの、偏奇なもの、只事でないこと、などについて。

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舞台のような茶箪笥

2007年02月28日
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今を去ること7,8年前のことになるだろうか、その頃中国地方のO県に住んでいた。

隣町にあった百貨店もどきの大型スーパーで家具の即売会があった。多彩な品揃えで、普通の家具屋では余りお目にかかれないような大型家具も並んでいる。

品物の大きさや豪華さに比して、価格が大変安かったのは、これが受刑者による社会復帰のための習作だからであった。

ふと、ある食器棚に目が吸い寄せられ、身動きできなくなってしまった。

高さは120センチほどで、食器棚というより大型の茶箪笥のようでもあった。幅は広くておよそ150センチほどか。
桜材だったと覚えている。

格調が高く、しかも華やかさがあった。
丁度、大名家の雛道具のような雰囲気の、、、

ガラス戸の中を覗いて見ると、左右それぞれの上方に小部屋のような扉付きの棚があり、表面が湾曲している。その前には廊下のような棚がついていて、それが中心のほうへ伸びている。

その中ほどあたりが、橋のようにも見える欄干のような飾りがついた渡り廊下になっている。

そこここに隠し部屋のような、扉付きの棚が配置され、全体がどうやら豪奢な歌舞伎か何かの舞台仕立てのようなデザインになっているのだ。

いつまで眺めていても飽きることがなかった。
価格は、低価格なものが多い中に、これは20万円台だったが、これほど所有欲を駆り立てられた家具に出会ったことがなかった。

難を言えば、中の扉などに描かれた蒔絵風の絵柄が、稚拙な筆致だった。

経済的にも空間的にも余裕とてなかったので、買うことは断念したが、茶箪笥の中の「空間に魅入られる」という得難い経験が出来たのは幸せだった。

茶箪笥の中に、深い奥行きと立体感のある空間が演出され、今にも鏡花の夢幻劇のような、魔物や魔性の女たちが跳梁する世界が動き出す、、、

その中に住んでみたいような気がしたのだった。
もうこちらへは戻れない、、、

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世界秘密

子どもの頃からの本好きで、若い頃は、新刊書を買い漁ったものだが、今は増えすぎる本の量に恐ろしくなって、随分精選して買うようになってきている。

書物に淫していた頃、よく本の夢を見た。その本を読めば、この世界の秘密がすべて解ってしまう、という1冊の書物。
その書物があるという、見知らぬ街の裏道に身を隠すようにして、ひっそりと店を構えている古本屋を探して彷徨し、ついに辿り着くも、その日は休業、という夢。

その頃、その音楽を聴くと、たまらなく淫らな欲求に襲われるという夢も見た。夢の中で実際にその音楽が鳴っていて、妖しい気分になっている夢。
聴いている場所が、件の古本屋という設定で、どうやら、世界秘密と淫らな欲求とが通底しているらしい。
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