気配と囁き ―秘密の薔薇―

個人的な関心事についての日録風覚書。隠されたもの、語り得ぬもの、覆われたもの、向こう側、境界線上のもの、この世ならぬもの、過剰なもの、偏奇なもの、只事でないこと、などについて。

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初めて、小説なるものを

初めて「小説」というものを書いてみた。
原稿用紙10枚の超短編である。

一応小説の体裁は採っているが、果たして世に言う「小説」になっているかどうか、聊か不安なのである。

タイトルは、
“陽だまりの中、吾亦紅の花は揺れ”
というのである。

私がこれまでに読んだ中で、最極上の短編小説は、ホフマンスタール『チャンドス卿の手紙』だ。

また、好きな作家の作品集としては、皆川博子の『ゆめこ縮緬』。
集中巻頭の「文月の使者」はとてもよかった。
彼岸と此岸の境界であわあわと揺らぐ世界の描出。

身内といえども容赦のない、厳しい我が連れ合いの評によれば、“相当良い”とのことだから、少しはほっとしたのだが、果たして“薔薇窗”への掲載レベルに達しているかどうか、、、

ともあれ、掲載されれば、6月に発刊の見込みだから、物好きな方はどうぞ。
6月からは、amazonで買えるようです。
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プロローグ ―古代獣の咆哮が深夜の街に悲しく響き渡った、、、―

(2008年07月02日)

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それは、今からもう20年以上前のこと。

40年前にはその暗鬱な時計塔の上から、幻の解放放送局がヘイ・ジュードを延々と流し、深夜の街を不可視の逆戒厳令で覆った時以来の椿事だった。

3月も末のある夜のこと、かつて耳にしたことのない大音響が付近一帯を驚かせた。

丁度正零時きっかりに始まったそれは、あたかも“さよならジュピター”に登場する、永遠に木星の引力圏に封じ込められ遭難した異星人の巨大宇宙船から発信される救難信号のように、魂の深部を抉るような悲痛な響きを揺曳させた。

うぉーーん、うぉーーん、うぉーーんと長く尾を引きながら、深夜の街を底知れぬ恐怖に震撼させたあと、かっきり30分続いて、突然止んだ。

あとで人づてに聞いたところによれば、旧帝國大学だった折に設置された緊急用サイレンの時ならぬ誤動作だったという、、、

それは私に、幻の“黒死館”や“聖アレキセイ寺院”などの陰鬱なイメージを喚起させた。

と、これが発端だった。この目に見えぬ因習と不文律に塗れた古い都を恐怖の坩堝と化し、そののち長く語り伝えられることとなった一連の忌まわしい事件の。

その時、暗い地下通路で、あの未曾有の惨劇の序章の幕が切って落とされたとは、その時知る由もなかったのである、、、
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