気配と囁き ―秘密の薔薇―

個人的な関心事についての日録風覚書。隠されたもの、語り得ぬもの、覆われたもの、向こう側、境界線上のもの、この世ならぬもの、過剰なもの、偏奇なもの、只事でないこと、などについて。

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恩寵のような、、、

(2007年04月11日)

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今日は、仕事が待ちだったので、眼鏡を誂えに少し遠出をした。

といっても、店は電車で一駅くらいのところにあって、自転車で。

月曜に眺めた桜並木を右に見て左折、堤防下の道を南へ下がる。

途中、学校沿いをゆったりと流れる用水路に、桜の花弁が一面に散りばめたように流れている。
昨日あたりから散り初めたようで、まだ大きな塊にはなっていないのだった。

検眼を済ませ、帰りはすぐ桂川の堤防に上がった。

すると、、、そこは春の、爛漫の春を絵に描いたような世界だった。
陽光はきらきらと溢れ、堤防上の道の両側には菜の花が一面に咲き、春の広大な輝くような空間が広がっていた。

上がってすぐのところにマンションが建っていて、桜の木が満開だった。
鳥の鳴き声に、ふと木を見上げると、中ほどの枝に2羽の山鳩が仲良く並んで止まっている。
互いに顔を見合わせ、何かしら恥ずかしげに嘴を触れ合っていた。

そっと邪魔をしないように、その場を離れ、堤防上の道を走った。

川は川幅の4分の一くらいしか流れはなく、広い中州の砂地が見えている。
緑の繁茂しているところもあって、野趣に富んだ地形をなしている。

と、鶯の鳴き声が聞こえた。
何年振りに聞く声だろうか。

あまりに嬉しくなって、何だか少し泣きそうになった。

こんな日が私にも訪れることがあるのだ、と思うと、しきりに有り難い気持ちがした。

桜の薄桃色と、菜の花の黄色、そして鳥は睦み合い、鶯はのどかな鳴き音を洩らす。
光は溢れ、風が吹く。

桜の木が手の届く高さに花を差し伸べている。
自転車を止めて、手を伸ばす。

枝の先端で鞠のように固まった花の塊を、そっと手の平に包むようにした。

すると、柔らかな感触と同時に、清冽な冷気が掌に吹き付けてくるのを感じた。

桜が気を出している、、、

溢れる陽光の下で、桜が内部の闇から冷たい気を吐息のように出すのだ、と思った。
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悦び | コメント:0 |

孤島 その2

(2006年04月09日)

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約束の日に、定期船で島に渡る。
空は晴れ渡り、突き抜けるような青空であった。

終戦後に入植が始まり、ほんの数軒がミカン畑をやっていたが、その内人口が増え、一時は小学校も出来たほどだったのが、その後はまた次第に廃れて、今では数軒の民宿だけが細々と営業している。

島に着くと、軽トラで迎えに来てくれていた。
船着場から九十九折れの坂道をくねって走り、船着場からは島の反対側になる廃校の傍の家へと着いた。

あたりは森閑として、野鳥のさえずりが聞こえるばかりの別天地であった。丁度山陰になる窪みのような平地になっている。

家に入り、施術をする。終わってまた少し雑談をする。

婆さんと性別不明の孫娘との不思議な共同生活。
2人とも浮世離れしたように屈託がなく、のびのびと生活を満喫している。

ふと見ると、部屋の隅に大きな地球儀がある、訊いてみると、新聞の通販で買ったとのこと。
他には、パラボラアンテナのように見える器具があって、それは何か炭素を燃やして、体に良い熱線を放射し、それに当ると体が健康になるのだとか、、、

淹れてくれた珈琲が実に旨かった。

とろりとしたいい気持ちになって、癒されたのは私の方であった。
悦び | コメント:0 |

孤島 その1

(2006年04月09日)

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中国地方で整体院を開業していた頃、雨降りの日にお客がやってきた。
婆さんとその孫娘とおぼしき2人連れである。
あとで迎えにくるから、と婆さんを残して、娘さんは一旦帰っていった。

80近い婆さんだが、頭はしっかりとしていて、話す口調もゆったりとして気持ちがいい。さすがに、体は重そうで固かったが。

するうちに、その孫娘さんが迎えに来た。
少し雑談をしたが、まことにはきはきとして、元気が弾けそうな明るい女性である。
ただ、なんというか、どこか性別不確定な印象がある。
短髪にして、まことに肌つやもよいが、若い女性特有の性的魅力に欠けるところがあった。

性的未発達というよりも、性的な発達という方向性が元来備わっていないような感じがするものの、健康美に溢れ、不自然な印象ではなかった。
ふと、金太郎を連想した。

で、もし出来ることなら、次回は出張して施術を、と言われた。
本土から船で10分ほどの島に住んでいるらしい。

帰り際に婆さんを担ぐように抱える様子が、エネルギーに溢れて、元気な少年のようにも見えた。(つづく)
悦び | コメント:0 |

彩雲

半月ほど前のニュースで、仙台の空に「彩雲」なる気象現象が現れた、との報道があった。
生まれて初めて見たので、目を疑った。

一面灰色の雲の塊の内の一部が、そこだけ虹色に彩られて浮かんでいるのである。何かCGでも見せられているような非現実感があった。
錦雲とも言うらしいが、とても不思議で荘厳な感じだった。

まるで阿弥陀如来の来迎図みたい、と言うと、連れ合いが、えーっ私は神の臨在を連想、と言った。
こういう所で、志向や感性の種類の違いが歴然と出てしまう。

稀有なものが見られて、有り難いことである。

悦び | コメント:0 | トラックバック:0 |
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